アライナー矯正だけが悪者か?
大きな問題になっているアライナー矯正治療。
擁護するわけではないが、インビザラインが悪い訳ではないです。
もっと安価で粗悪なものもいっぱいあります。
要はそれらを使用する歯科医考えと技量。
別にアライナー矯正に限った話ではないです。
CT、マイクロスコープ、、、、使いこなせもしない診療機器で患者さんにアピールする歯科医院は多いです。
私は10年以上前からインビザラインを始めるにあたって、インビザライン単体で全て治療可能と患者さんに説明したことは一度もありません。
治療のどこかのタイミングでブラケット&ワイヤー矯正必要になる可能性があることを説明してきました。
インビザライン単体で最初から最後まで治療可能なものは、術前の診断によりますが、概ね40%とお話ししています。
場合によってはTAD(テンポラリーアンカーデバイス=小さなインプラント)を併用します。
インビザラインのウィークポイントをカバーする意味で、Sure Smileと言う新しいアライナーシステムも導入済、適宜使い分けます。
インビザライン単体で治療可能と謳う歯科医には大きな疑問を以前から持ち続けてきました。
患者さんも矯正治療を簡単に考え、単に前歯が綺麗になればそれでいいという方も少なからずおられます。
そのような患者さんは安価な治療を選択しがち、治療自体も、治療終了後のメインテナンスも途中脱落傾向があります。
他院で治療中断、治療終了後のメインテナンス途中脱落由来からのトラブル相談は一定数あります。
中途半端なことなら、行わない方がいいです。
安物買いの銭失いです。
何度も書いていますが、矯正治療の目的は正常な機能の回復とそれに伴う審美性の獲得なのです。
未熟な歯科医と、安易に考えている患者さん両方から事態を複雑化していることは否めないです。
今回の矯正トラブルで、数々の「矯正専門医」がコメントを寄せていますが、これも至極もっともな話
から、???な話までバラバラ。
仕事を取られたので、アライナー矯正は全て悪と言うバイアスも感じますが。
しかしながら、そのアライナー矯正否定は、ブラケット&ワイヤー矯正至上主義の「矯正専門医」も様々な問題を抱えていることも事実です。
「矯正専門医」からの転医、相談も少なからずあります。
この写真は「矯正専門医」で長期に渡り治療行ったものの、前歯で全く噛めない、顎関節症を引き起こして相談に来られた患者さんです。
その矯正歯科で訴えても対応してもらえなかったとのことです。
治療、メインテナンスに確実に通院されていたため、患者さん側に非は全くないです。
臼歯部も均等に咬合していなかったです。
皆さんはどう考えられますか?
前医にはもう通院したくないとのことでしたので、無論、当院で無事治療終了し、メインテナンス中です。