歯科業界は直美(ちょくび)のことを笑っていられない

直美(ちょくび)とは医学部卒業後臨床研修等をせずいきなり美容外科業界に入ることをいいます。

スキル、学識は当然ないので、ひたすら埋没縫合(美容外科でよく行う縫合方法)を行うと言うもの。

そんなのでも年収2000万以上当たり前、国立大学医学部教授の年収が1000万程度なのにです。

それ自体を否定も肯定もしません。

患者さんに迷惑かからない、責任持てるのなら自分の判断で好きに行えばいいと思います。

実際は不可能でしょうが。

歯科業界、インプラントやアライナー矯正がこの直美に近い状況です。

歯周病、口腔外科、補綴、矯正(通常のワイヤー矯正)、、、、の知識なく参入が後をたちません。

問題ないならいいのですが、残念ながら悲惨なことになっています。

当院への相談は確実に増加しています。

ある歯科医院など、歯科医は矯正の知識全くなし、説明、口腔スキャン、治療計画の策定、アタッチメ

ントの付与、経過観察、、、、、、歯科医は一切ノータッチで歯科衛生士が行うまたは無資格者が行うと言う

のもあります。

無資格者の治療は完全アウトですが、歯科衛生士もグレー、業務によってはアウトです。

アライナー矯正はオールマイティーではありません。

アライナー矯正のみで最初から最後まで治療可能なのは当院では40%程度と考えます。

あとの40%はワイヤー矯正併用、20%はアライナー矯正適応外と判断しています。

また、アライナー矯正行うにあたり、コンプライアンス順守できない患者さんはお断りするケースもあ

ります。

お断りするのは何も矯正だけではなく、理解、治療協力が得られないような方全てですが。

従いまして、通常のワイヤー矯正できないと、アライナー矯正行ってはダメと言うことになりますが、

前述の通り、「直美」ならぬ「直アライナー、直インプラント」みたいなものが後をたたず、

正直困っているのです。

何とかしますが、、、、、、

歯科医になり数年で開業したり責任あるポジションに就かせる歯科医院もありますが、その程度の経験

で学術、スキルが習得できるほど甘くはなく、非常にリスキーです。

また、勤務医だといずれその医院を退職することになる場合も多いですから、退職後のことは知らない

となりかねないです。

特に給与が歩合制のところなど、とりあえず目先の収入にしか目に入りませんから。