根管治療後は必ず説明を受けてください
最近他院で治療したものの痛みが取れないとのことで来院されました。
よくある話ですが、複数の歯科医が交代で治療していて、毎回、言う事が違ったそうです。
元々この患者さんはその歯科医院で矯正治療を含む全顎治療をご希望されていたらしいいのですが、不信感から当院に来られました。
術前写真
上顎第二大臼歯、3根管ですが1根管(近心頬側根)は全く手付かず。
見落とされている?
この近心頬側根はMB2=2根管ありました。
当然未処置。
補綴物を外すと中から異臭、モロモロとしたもの+ビタペックスという通常大人には使用しないものが出てきました。
内部は汚染が激しかったので、徹底的に清掃、洗浄。
10日後、2回目来院時には痛みは完全に消失していたため根管充填行いました。
術後
3根管全てに緊密に充填されていることがわかります。
本治療は根管口の探索時のみマイクロスコープを使用しています。
親知らずは抜歯しています。
日本はマイクロ、CTの普及率は世界一で、海外の歯科医に驚かれますが、それらを使いこなして精度の高い治療が行われているかといえば、決してそうではないです。
マイクロ、CTが単なる患者さん集めの道具になっていることは否定できないです。
精度の高い根管治療を行おうとすればマイクロ、CT以外多くの機材が必要です。
それら多くは消耗品であり、保健診療ではコスト的に時間的に到底ペイできないという根本的問題がありますが。
根管治療行われたら、術後に必ずレントゲン写真で説明を受けてください。
緊密な重点を行った場合、保健請求の場合は算定要件でもありますから。
石灰化、閉塞で根っこの先までレントゲン的にきっちり薬が入らない場合もありますので、それが成功の基準にはなりませんが、一つの指針にはなります。
今後この歯はコアとプロヴィジョナルクラウン(仮の歯)を装着し、矯正治療を含む全顎治療を進め、最終的にセラミックで治療予定です。
前医において根管治療がこのような状態で、矯正治療、全顎治療はどうなんでしょうか?