ソケットリフト、サイナスリフト

他院に長期間通院されていたものの、どんどん状況が悪化していくとのことで相談です。

全顎的に様々な問題を抱えているものの根本的処置が行われていません。

もう延々良くならない状況は嫌だから、腰を据えてキッチリ治療したいとのことで、

全顎的治療=包括診療をご希望されました。

他の部位への根管治療、歯周病治療、プロヴィジョナルクラウンによる咬合治療、インプラント治療、その他は順調に進んでいます。

今回、右上へのインプラント治療です。

この方の治療部位の中では難易度が高い部分。

術前

向かって左側インプラント2本埋入予定部位は全く骨がありません。

歯周病に罹患した歯牙を長期間放置していたためですが、前医は何の対応も行なっていなかったようです。

というか治療オプションがないためできなかったということが正確。

最初一挙にサイナスリフトを行い3本インプラント埋入を計画していましたが、術前に散々CTでオペのシュミレーションを行なっていたものの、実際に処置開始すると状況は想像以上に悪かったため、急遽写真の向かって右側へにインプラント埋入のみ行い、左側2本のインプラント同時埋入は諦め、骨の造成のみ行うこととしました。

骨の厚みは1mm未満程度しかなく、インプラントの初期固定が困難と判断しました。

写真向かって右側1本はソケットリフトという方法で骨造成行い、インプラント埋入行なっています。

元々の骨の厚みは7mm、インプラント長さは11mmなので概ね7mmリフトアップしました。

術後

人口骨+自家骨+組織誘導因子+自己血液を移植し、その上に網状のチタン製のメッシュプレートで3個のチタン製ピンにて固定し、さらにメンブレンにて被覆後縫合しています。

おおよそ10mmの骨を造成することができました。

半年後に再エントリー行い、チタンメッシュ、ピンを除去し、インプラント2本埋入予定です。

また、歯牙はインプラントプロヴィジョナルクラウンが立ち上がった時点で抜歯し、全てインプラントによる咬合予定です。

インプラント治療と言ってもその難易度はピンキリです。

簡単な治療しか行わず、行えず、インプラント治療行なっていると主張する歯科医院はどうなんでしょうか?

インプラント専門医制度を有するとやたら主張する歯科医もどうなんでしょうか?

コンスタントに実戦経験ないなら意味ないですし、お金で「資格」を売る団体もありますから。

当院ではインプラントに限らず所謂難症例が多いです。

これはインプラント治療行なっているという歯科医院でもピンキリということです。

使用インプラントは、プライムテーパーインプラント(デンツプライシロナ:スウェーデン)。