歯ぎしりの怖さ
歯ぎしりのある方は多いです。
歯ぎしりと言っても様々なタイプがあります。
就寝中にギリギリと大きな音を立てるもの、音はしないけれど強い噛み締めのあるもの。
昼間もTCHというものもあります。
音がしないものは患者さんの自覚もなく、歯ぎしりを指摘してもなぜかしら自分は絶対していないと頑なになる方もおられます。
歯ぎしりは恥ずかしいことではないです。
歯ぎしりは歯牙(補綴物含む)、歯肉、骨などの歯周組織、口腔関係の筋肉、顎関節など様々な部分に破壊的な影響を与えてしまいます。
歯牙の磨耗、破折、セラミックの破損、インプラント体の破損、骨の吸収、筋肉痛、頭痛、顎関節症、、、、、、等々。
歯牙の磨耗が進行すると、設定した噛み合わせが狂ってしまい、噛み合わせの高さの減少、
専門的な話になりますが犬歯部分の磨耗によりディスクルージョンの現象が起き、結果臼歯部の干渉が発生、口腔環境の破壊が進行します。
犬歯磨耗の一例(矯正途中・表面のポッチはアライナー矯正のアタッチメント)
本来とんがっている犬歯先端が真っ平らになっており、ディスクルージョンが確立できるような状態ではありません。
左側の小臼歯先端も磨耗(前述の」ディスクルージョン減少によるもの)、右側の歯牙も少々怪しい。
何らかの方法で元の形に戻す必要があります。
当院では大掛かりな治療が多いため、治療終了後にナイトガードを作製する場合が多いです。
上顎に装着していただくことにより、下顎はナイトガードと噛む事になり、滑ります。
この事により歯牙同士が接触を回避でき、前述のようなトラブルを回避することが可能となります。
ただ、残念ながら簡単に考えられ、装着が曖昧な患者さんもおられます。
実際のナイトガード
犬歯部分が大きく削られているのが分かります。
装着していないとこの力がモロに歯牙にかかるということです。
怖いです。