やはり安価なマウスピース矯正は要注意という話

ネズミ講のようなマウスピース矯正問題は被害者が拡大の一途のようです。

実質タダという甘い話に乗せられ、患者さん自身もSNSで片棒を担いでしまったわけですが。

世の中、そんなに美味しい話はないです。

当院ではインプラント治療や矯正治療などの保険外診療費用を割り引くなどの行為は、既存の患者さんご自身、そのご家族およびご紹介の場合は一部行っていますが、モニター価格、口コミでいいこと書いたらキャッシュバック等々一切行っていません。

医療において、そんな事すべきではないです。

いや、元々そんなこと行う必要もないのです。

そこまでして患者さんを集めようなどとサラサラ考えてませんので。

安売りして???な方が来られても困りますのでね。

内容より安価な治療を求められるのなら探せばいくらでもあります。

さて、マウスピース矯正ですが、最近非常に安価なものが登場しています。

別に否定はしませんが、来院1回、あとは自分で写真を定期的に歯科医院に送り、治療を続ける、、、、、というものまで登場しています。

口腔内写真は規格に沿ったもの、当院なら少なくとも5枚ひと組のものを定期的に撮影して比較しないと評価できませんが。

こんなことで本当に治るのかどうかよく考えてください。

治療のゴール設定は歯科医も患者さんも様々ですが。

中には前歯だけのコース、部分だけのコースというものまであるようですが、人間の歯牙は親知らずを除くと上顎、下顎とも14本ずつ計28本あります。

全ての歯牙が本来の役割を果たさなければ何の意味もありません。

当然、各種レントゲン写真を撮影し、虫歯、歯周病、過去の治療も厳格に検査し、その上で治療計画を立案、患者さんの十分な理解の上進めるものだと考えますが、歯科医、患者さんとも安易に治療行うこと多いような気がします。

その結果は押して知るべしです。

ご注意ください。

アメリカではこのような安直な矯正治療でうまくいかないケース(当たり前ですが)で訴訟が急速に増加しているそうです。

このため倒産するメーカーも出ているようで、余計に患者さんに負担がかかっているようですが、日本でも時間の問題です。

安易に始めた矯正治療の途中脱落率は30%、患者さん自身の判断で途中で治療中止するとロクでもない結果が待ち受けていますが、これは患者さん自身の問題です。

治療終了後の定期的なチェック、調整、保定用装置の調整並びに破損時の再製作は必要ですが、この辺りのフォローが全くなく後戻りを起こしている症例が増加しています。