インプラント治療について

今日、インプラント治療は非常に有効であり、長期の予後も望める治療方法ではありますが、当院では歯牙保存の可能性を探らず、いたずらにインプラント治療行うことには反対の立場です。
1998年の開院以来、年間数百本のインプラント治療をコンスタントに行なっている私が言うのもなんですが、安易考えている歯科医は多いです。また、患者さんご自身も簡単に考えられておられる場合も多く、これらが合わさっての誤解、混乱が不幸な結果を引き起こし、相談に来られる方が増加しており大変危惧しています。

インプラントは世界基準のこだわり

インプラント治療は包括診療(Comprehensive Dentistry)を担う歯科治療の一つの治療オプションでしかあり得ません。
歯科の他の分野、根管治療、歯周病治療、矯正治療、咬合・補綴治療、、、、、さまざまな分野と融合が必要であり、本来非常に複雑な治療なのです。また、治療終了後も指導事項を遵守していただき、確実なメインテナンスが重要であることは言うまでもありません。
学術、スキル、経験は言うに及ばず、当院のこのような考えが、開院以来行ってきたインプラント治療に大きな問題が出ていないことの秘訣と考えますのでご安心ください。

200社を超える世界のインプラントメーカー

現在、世界には200社を超えるインプラントメーカーが存在し、日本へは厚生労働省認可としては約30社のものが認められています。それ以外は歯科医の個人責任による個人輸入です。正直、よく分からない某国メーカーや、いつのまにか撤退、倒産、消滅していて、アフターケアが不可能になるものや、中には劣悪な製品ゆえの長期安定性に欠けるものも存在します。世界的な知名度、シェアを有していても日本では無名であるものや、逆に日本では知名度、シェア有していても世界的には無名なものもあり、一概には判断できません。中には無茶苦茶なディスカウントを行うメーカーや、安価をうたいつつもメーカー自体非常に怪しいものなど、販売方法に疑問があるメーカーも存在します。また、メーカー自体が倒産してしまったものもありますが、このような場合、消耗品パーツの供給などアフターケアに問題が出ています。

国内におけるインプラントメーカーのシェア率

海外におけるインプラントメーカーのシェア率

インプラント治療を行おうとお考えの場合、歯科医院がどのようなインプラントシステムを使用しているかご確認された方が良いでしょう。もっとも「ブランドインプラント」を使用することにより、患者さんにアピールしている場合もありますので注意が必要です。あくまでも使う側、歯科医の知識、スキル、経験が大事です。
他院で骨が無いからインプラント治療できないと言われた方など、何症例も多く治療しています。

最新のインプラント[Prime taper(プライムテーパー・スウェーデン)]導入

デンツプライシロナ社製の新しいインプラントシステムです。
世界的に定評のある同社アストラシステムとインプラントフィクスチュアは同じ表面性状を有し、システム自体もかなりの部分を共有します。
特徴として歯根形態を有し、アストラインプラントより初期固定に優れ、抜歯同時埋入、早期埋入に有効です。
当院の使用していますアストラ、Zimvi(Biomet 3i)、ITIにPrimeTaper加わる事により、今まで以上に治療オプションが増え患者さんの利益となるでしょう。

アトランティスアバットメント、Beyond CAD / CAM
一人一人の症例に合わせたオリジナルを

デジタルオープンソリューションの一環として、デンツプライインプラントは患者個別の優れた補綴ソリューションをお届けします。
アトランティスアバットメントは、主要インプラントシステムに対する、セメント固定式およびスクリュー固定式ソリューションをサポートして、高い機能性と審美性をご提案いたします。
なぜアトランティスアバットメントを選択するべきなのでしょうか。それは、アトランティスアバットメントが、優れた補綴ソリューションに必要なデザインパラメーターを考慮しているからです。アトランティスアバットメントは、特許を取得したアトランティスVAD(バーチャルアバットメントデザイン)ソフトウェア上で、個別の欠損スペース、周囲の歯や軟組織形態を考慮して、最終歯牙形態をもとにデザインされています。これらの要素を考慮することで、出来あがったインプラント補綴物は天然歯の機能と外観を再現します。

アトランティスアバットメントパンフレットより抜粋

骨移植によるインプラント治療(サイナスリフト等)

骨がないからインプラント治療できないと言われた方、サイナスリフト等の骨移植等で治療可能になる場合が多いです。
サイナスリフトにはソケットリフト法、ラテラル法、バーティカル法、その他様々な方法がありますが、状況によって使い分けます。移植骨は、自家骨が一番良いですが、採取部位、すなわちドナーサイトが患者さんに負担かけることと、採取量に限界あるので、Biooss単体、もしくは混合して使用します。この他、βTCPを用いる方法もあるが、当医院では現在使用していません。同種他家骨、アパタイト系は一度も使用した事はありません。
いずれにせよ、サイナスリフトはインプラント治療自体よりも非常に高度な技術が必要となります。

チタンメンブレン
コラーゲンメンブレン
コラーゲンメンブレン
バイオス
人工骨
組織誘導因子(リグロス)

多彩な治療の可能性

当医院では、アストラインプラント、ZimVieインプラント、Straumannに対応しており、今までの安価なサードパーティー製のものとは一線を画する適合精度、機能性、審美性、破損時の独自の保証システムに基づいて採用しており、良好な臨床実績、成績を得ています。全ての歯牙を失った方でも、全てをインプラント治療で、元々あったご自身の歯牙と全く同じ機能、審美回復できるケース、現在、総入れ歯をご使用中で、その入れ歯にご不満をお持ちの方も、数本のインプラントと入れ歯を組み合わせる治療(インプラントオーバーデンチャー)で格段に機能回復可能なケース、さらに、ブリッジのように歯牙を削らず、単独で処置するケースなど、多彩に応用可能です。
インプラント治療そのものは、その治療ステップがマニュアル化されており、骨の状態が通常で、ごくスタンダードな手術方法の場合、手術時間は2〜3本でしたら30分以内で終了可能です。
私個人的な感想としては、歯牙形成、神経治療の方がよほど細かく、時間のかかる治療だと考えています。骨との結合のための待ち時間は、上顎の場合4〜5ヶ月、下顎の場合3〜4ヶ月であり、通常、この期間に加え2〜3ヶ月以内で治療終了となります。骨の移植等、この他、複雑な治療が絡む場合はこの限りではありません。
骨の厚みがなく、インプラント治療できないと言われた患者さんも、当医院に一度ご相談下さい。骨が無いからインプラントできないと言うのは、その歯科医の問題であり、インプラント治療が可能かどうかは別次元の問題です。骨の移植により、インプラント治療可能となるケースも多いです。
当入れ歯でお困りの方はご相談下さい。様々な解決方法がご提案可能です。
ゼスト・ロケーターシステムは通常のインプラントに接続して入れ歯を安定させるシステムです。また、専用インプラントを使用することにより、今までよりも低コストでの治療が可能です。

ゼスト・ロケーターシステム
ゼストインプラントシステム
ミニダルロ
ドルダーバー

インプラント治療例

全顎的包括診療例01

外傷による上顎左右11抜歯後即時インプラント+インビザライン矯正

インプラント治療時にはチタンメッシュ+人工骨による大掛かりな骨移植を行っている。

  1. インプラント治療直後のレントゲン写真。
    網目状のものがチタンメッシュ、ピンで骨に固定。

  2. インプラント2次治療後、歯周組織移植などを行い、歯間乳頭が再生された。

  3. アトランティスシステムにより、ジルコニアアバットメントがCAD/CAMにより作製された。
    アトランティスのガイドにより正確に位置決め可能。

  4. ジルコニアアバットメント上に装着されたプロビジョナル、矯正治療は継続。

全顎的包括診療例02

矯正治療、骨移植を伴うインプラント治療、セラミック・クラウン等による機能的、審美的治療

全顎的包括診療例03

矯正治療、骨移植を伴うインプラント治療、セラミック・クラウン等による機能的、審美的治療

全顎的包括診療例04

術前

全顎的包括診療例05
全顎的包括診療例06
全顎的包括診療例07