歯科医の独自の見解にはご注意を

歯科治療は様々な方法があり、患者さんが治療を検索すると混乱する場合も多いです。

歯科に限らず、「がん治療」など、実に怪しげな治療を薦める場合もあります。

あまりにも命、予後に直結する話なので、ようやく問題視されだしていますが。

先日某「根管治療専門」を受診したものの一向に主訴が回復しない、他にも様々な問題があるのにここは様子見ましょうと対応してもらえないと相談がありました。

色々話を聞いてみるとその歯科医の専門分野(どの程度専門なのかは全く不明・根管治療専門医という制度は国家レベルのものではない・その歯科医院のWebを見ても専門性を謳う分野も非常に疑問の治療を行なっているよう)以外の事は色々能書き多いけれど、結局のところ何も分かっていない、複雑な治療経験も無いと疑わざるをえない。

その医院で根管治療中の歯はともかく、その隣の歯周病に罹患した歯牙、抜歯すべき臼歯部、その他には一切言及なかったそうです。

木を見て森を見ていない。

全く。

口腔全体を診療しようとすれば、根管治療だけではなく、歯周病、補綴治療、矯正治療、咬合治療、インプラント治療、審美治療、メインテナンス、、、、、、、様々な分野を包括的に、かつ、精度高く行わなければ成功は望めないです。

人間には親知らずを除いて上顎、下顎各14本の歯牙があり、それぞれの歯牙が固有の働きを行なっています。

8020という言葉を聞かれた方も多いでしょうし、都市部では概ね達成できています。

しかしながら残存20本と言っても前歯、小臼歯部だけ20本なのか、奥歯まで飛び飛びで20本なのか、上顎は14本あって下顎は6本しかないのか、またその逆なのか、、、、、、によって状況は様々です。

さらに20本と言っても何の問題もないのか、様々な問題を抱えてこの先次々問題発生してゆくのかによっても全く違います。

従ってその歯周病にも罹患、咬合的にものすごく不利な1本の歯だけ根管治療行なってどうなるのかと。

この方の私の診断は、抜歯すべき歯牙は抜歯行い、根管治療、歯周病治療など様々な分野を組み合わせた治療を行わないと患者さんの希望するような結果は望めないと結論し、説明しました。

患者さんは十分納得され、治療開始となります。

患者さん曰く、前医にそのまま通院していたらどうなっていたことか、、、、、

私は独善的な治療は一切行なっていないです。

歯科の様々な分野の最新のものを取り入れていても、基本に忠実、一つ一つのステップを確実にこなしてゆくというスタンスに開院以来全くブレはないです。