口腔全体で判断することが大事です

本当に簡単な1本の虫歯治療ならともかく、

(と言っても口腔全体の診察は行い、正確な状況を患者さんに説明することは非常に大事ですが)、

多くの歯科医院では行き当たりばったり的治療が行われ、状況がどんどん悪くなる、それも年単位で悪化するから患者さんもあまり危機感がないことは珍しいことではありません。

先日も他院で長期に渡り治療されていたものの、状況がどんどん悪くなると相談に来られました。

精査すると様々な問題を抱えている、、、、、

そのような事実を説明されたこともなく、患者さんは愕然。

インプラントや多くの部位にセラミックが装着されいるものの、歯周病治療、根管治療はほぼノータッチ。

いったい前医は何をしていたのか?

私がこの部分に違和感ないですか?、痛みが出たりすることないですか?と尋ねると、やはり痛みや、腫れを繰り返しているとのこと。

せっかく装着されたセラミックも破損している部分が多い。

患者さん自身、メインテナンスが曖昧という問題もありますが。

この様な状況で対処療法を繰り返しても意味ありません。

また、患者ご自身の意識を改革していただかないと高度な治療は難しいです。

結局この患者さんは、治療終了後も確実にメインテナンスに来ていただくという条件で、問題点を全て解決する方向で治療開始となりました。

治療する以上は私に責任ありますが。

逆に言えば、ご自身の考えに凝り固まっていて(無論、専門的な根拠は全くない)勝手なことばかり言われる、行われるような患者さんには責任持てないです。

患者さんの治療協力が得られず治療の継続が困難と判断した場合は、他院受診されることをお勧めする場合もあります。

正直、聞こえはいいですが、「患者さん目線」「患者さんに寄り添う」というまやかし、問題のすり替えで患者さんの言いなりの治療をするとロクな事ないです。

患者さんも治療した部位に問題出るのが数年先となると、原因もハッキリ分からないと思います。

痛みや腫れ、出血は体の異常サイン。

自覚症状があまりないからと治療介入を先送りされたり放置されるケースも多いです。

よく考えてください。

人間ドックなどで全く無症状の「がん」など見つかった場合、「症状がないかからこのままでいい」、「症状でてから治療すればいい」と判断されるでしょうか?

無論、「がん」にも早急に対応すべきものとそうではないものがありますが。

患者さんの考えはそれぞれであり、どのような判断も否定はしませんが、判断、決断を誤ると余計に厄介なことになります。

今まで、そして現在進行形でそのようなケースに多数遭遇しています。