歯周外科治療
他院においてメインテナンスを行われていたらしいが、右下の一番奥の歯がよく腫れると訴えたものの、表面上の掃除のみ行い、他の対応は何もしてもらえなかった、また腫れたら抜歯と言われたと当院に来院。
術前写真
○の中の歯根表面ならびに周囲骨吸収が見られます。
歯肉を押すと少し膿も出てきます。
歯周ポケットも7mm。
当院の歯科衛生士がスケーリング、ルートプレーニング行ったものの、歯牙に穴が開いていると触知したものの、抜歯せず、歯周外科治療で対応可能と判断しました。
通常、歯周ポケットが5mm以上あると、暗視野下でのルートプレーニングの確実性は著しく低下します。
すなわち、スケーリング、ルートプレーニング行い、ブラッシング状態も良好な状態で初期治療が完了してもまだ深い歯周ポケットが残存しているなら、歯周外科治療が治療選択に入ってきます。
悲しい事ですが、歯周外科治療を確実に行える歯科医は少なく、歯周外科治療が行えないと抜歯、、、、インプラントを薦めるという流れに。
インプラント埋入されてもその隣や他の歯牙が大きく歯周病にやられているにも関わらず、何の処置もされていない、単に欠損部にインプラントが入っているだけというケースにちょくちょく遭遇します。
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病には罹患します。(インプラント歯周炎)
その方が歯科医院としては儲かりますが、、、、なので安易な抜歯が行われています。
歯周外科治療は患者さんの理解と協力はマスト、時間もかかるので避けたいんでしょうか。
この辺りは歯科医師はもちろんですが、歯科衛生士のスキルの差も大きいです。
単に歯牙に傷をつけているだけで、メインテナンスがメインテナンスになっていない場合も多いです。
歯周外科治療直後
治癒後高さは回復します。
無論、抜歯の必要は全くない。
窪みの虫歯はコンポジットレジン充填で治療可能。
インプラント治療が多い当院が言うのも何ですが、歯科医は歯を残してナンボです。
インプラント治療はそのメリット、デメリット、治療設計を十分理解している歯科医が行うべきものです。