矯正治療は見た目を治すだけではないと言うこと
矯正治療は見た目を治すものとの誤解は多いです。
見た目のみを優先する歯科医(矯正専門医でも)も多いです。
しかしながら、口腔機能が改善されない矯正治療はあり得ません。
ここは咬合というものを理解していないと治療ゴールを達成できません。
その1例
主訴・前歯の隙間、奥歯の噛み合わせがしっくりこない、顎が痛い
術前写真
前歯の隙間はもちろんですが、奥歯の噛み合わせが均一ではなく、これが原因となって顎関節症を引き起こしたと推察しました。
1〜2ヶ月間、ナイトガード(スプリント)を装着してもらったところ、顎関節症は消失、それとともに本来の噛む位置にズレがあることが判明しました(専門的にはCRとCOのズレ)。
そこで前歯の隙間ももちろん、患者さんとの相談の上、全顎的な矯正治療を行うこととしました。
治療システムはインビザラインを選択。
治療期間は約8ヶ月。
治療後5年、メインテナンス時の写真。
就寝時にはリテーナーを使用してもらっています。
この他、スポーツ時にはスポーツマウスピースの使用も。
全ての歯牙が咬合し、顎関節症は完全に消失、審美的にも満足いく結果が得られています。
このように矯正治療は見た目を改善すると言うものではなく、まず最初に機能回復ありきと言うことです。